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フリーランス美容師とは?【個人事業主美容師のメリット・デメリット】

フリーランス美容師

美容師の働き方は、美容室に在籍して従業員として働く・独立開業するという種類がありますが、近年ではそのどちらとも異なる「フリーランス」という在り方が注目されています。

今回は、フリーランス・個人事業主としての美容師についての特色について詳しく解説していきます。

フリーランスの美容師ってどんな働き方がある?

フリーランス・個人事業主とは、組織に在籍しないで働くことを指します。

美容師がフリーランスとして働く場合どんな働き方があるのか、以下にその種類をまとめていきます。

歩合制・業務委託契約

美容室に在籍した従業員と似ている働き方が、歩合制・業務委託契約です。
フリーランス美容師が個人で美容室と業務委託の契約を交わして、その美容室で働きます。

従業員のように在籍しているだけで固定給がもらえるわけではなく、仕事量によって収入が上下する仕組みです。

備品などはすべて美容室に置いてあるものを使用していいので自己負担の必要はなく、集客面も美容室任せになるので、自分で営業努力をする必要はありません。

ただし、美容室によっては委託契約時に集客ノルマが設定される場合もあるので、それに従ってノルマをこなさなくてはいけません。

面貸し・シェアサロン

面貸し・シェアサロンは以下のような業務内容です。

種類業務形態
面貸し・美容室の一席をレンタルして行う働き方借りるのは席だけで、集客から備品の用意まですべて自分で行う
・収益の半分以上は自分の報酬、残りは美容室の運営者に支払う
・永続的な働き方ではなく独立開業するまでの繋ぎ的に働く美容師が多い
シェアサロン・レンタルスペースを借りて行う方式
・備品から何からすべて自分で行うが、シェアサロンが用意してくれる場合も多い(有料)
・在籍する美容師はすべてフリーランス
・自分で物件探しなどをする手間が省ける

どちらも独立開業するときのような手間はかからないため、注目されている働き方です。

美容師がフリーランスで働くメリット

美容師がフリーランスとして働く場合は、こんなメリットがあります。

収入面

フリーランスは、通常の従業員のように固定給(プラス歩合制)ではなく、完全歩合制なので、自分の仕事量が100%ダイレクトに収入として返ってくる仕組みです。

業務委託の場合は売上の40〜70%、シェアサロン・面貸しは70〜90%が自身の報酬となります。

独立開業した場合は報酬が多くてもさまざまな必要経費の出費があるため、手元に報酬が残らない場合がありますが、フリーランスは初期費用がほぼかかりません。

フリーランスになったとたん、収入が数倍になった例は少なくありません。

自由度

従業員の場合、美容室の営業時間に合わせた働き方をしなくてはいけませんが、フリーランスになれば無理して時間を合わせる必要はありません。

業務委託の場合はある程度は美容室のペースに合わせなくてはいけませんが、フリーという立場なので、美容室内の人間関係に縛られることはないでしょう。
また、事前に申し出れば働く日なども自分で調整できます。

シェアサロンであれば、自分の都合で営業日や営業時間を自由に決めることも可能です。

接客面

フリーランスではない「従業員」の場合、多くの人数をこなすために美容師1人がお客に付きっきりではなく、お客への施術を一部のスタッフに任せる方式を行います。
これにより、効率化が実現して1日で多くの人数をこなすことが可能です。

しかしこの場合、施術が機械的になってしまいお客1人に対して深い付き合いができません。

しかし、フリーランスになればルールの縛りがないために、業務委託以外であればお客1人と密な関係が構築できます。

お客の趣味・嗜好を理解することによって、お客が本当に喜んでくれるヘアスタイルを実現させるという、美容師本来のやりがいを味わえるでしょう。

また、顧客の満足度が上昇する可能性が高まるのでリピート率にも影響します。

美容師がフリーランスで働くデメリット

美容師がフリーランスとして働く場合、自由でいられる反面デメリットも生じます。
そのデメリットについて解説していきます。

収入が一定ではなく、お客さんがいないと収入がゼロ

フリーランスは基本的に自分で営業(宣伝)もしなくてはいけません。
宣伝をやらない・あるいは宣伝営業をしても結果として集客に繋がらない場合、それが収入へとダイレクトに直結して収入がダウンします。

美容室に在籍している従業員であれば、営業をする必要もなく固定給で収入が極端にダウンすることもありません。

全ての作業を一人で行う必要がある

業務委託や面貸しとして働く場合、美容室という同じエリアで働いていながらも、フリーランスは独立した立場なので他の従業員は手助けしてくれません。
面貸し・シェアサロンの場合は、備品から集客まですべて自分で行う必要がある場合もあります。

収入の申告・納税・保険の手続きなどの作業が増える

美容室に在籍している美容師であれば、社会保険の加入・年末調整などすべて美容室の運営者が行ってくれるので、余計な事務的な手続きをする必要はありません。

しかし、フリーランスは健康保険・年金・確定申告および納税など、すべて自分で行う必要があります。
確定申告に至っては1年分の所得・経費を計算しないといけないので、そのような計算が苦手な人は面倒に感じるでしょう。

フリーランス美容師と社員美容師の収入の違い

美容師の収入は、社員・フリーランスと雇用形態が変わるとどんな違いがあるのでしょうか。
それぞれには下記のような違いがあります。

・正社員

・キャリアを積めば固定給に加えて歩合制もあるので、安定している
・腕があれば歩合制で高収入が可能
・新人の場合給料の低いアシスタント(見習い)から始めるので、平均年収は全体的に低い

・フリーランス

・それなりのスキル、キャリアがあれば最初から仕事量に比例して稼げる
・腕次第で正社員よりも高収入が可能だが、フリーランスの種類によって経費もかかる

純粋に収入だけみるとフリーランスの方が高収入ですが、固定給がある正社員は安定しています。

フリーランス美容師の年収はどれくらい?

フリーランス美容師の年収相場は、以下の通りです。

  • 平均相場:400万〜600万円
  • 最高年収の相場:1,300万円ほど

頑張り次第で年収1,000万円突破も決して夢ではありませんが、現在それを実現させている美容師はひと握りといってもいいでしょう。

フリーランス・個人事業主で美容師をする際に必要な手続き

正社員からフリーランスに転向するためには、いくつかの手続きをしなくてはいけません。
主に必要な手続きは以下のようなものがあります。

開業届・青色申告承認申請書の提出

個人事業主になれば、助成金・補助金の受給・税金最大65万円控除が可能です。
税務署に開業届を出せば個人事業主になれます。
また個人事業主になった際の確定申告は青色申告になるので、開業届と一緒に青色商人申請書も提出しないといけません。

国民健康保険への加入

会社に在籍していれば社会保険に加入できますが、フリーランスになったら国民健康保険に加入しないと保険証は所有できません。加入は住所内にある役所で申請できます。

退職した際にもらえる健康保険資格喪失証明書、身分証明証、免許証・振替用の通帳と金融機関の届出印が必要です。

国民年金への加入

退職日の証明書(雇用保険被保険者離職票など)、年金手帳、身分証明証を持参で、役所へ行けば国民年金の加入が可能です。

店舗を構える場合、開設届を提出し美容所登録

シェアサロンとして店舗を構える場合、保健所に行って美容所登録をしなくてはいけません。
後日保健所の人が訪問して検査を行い、それをクリアすれば開業できます。

フリーランスの美容師が確定申告で経費にできるもの

確定申告の際、経費として計上された金額が多いほど納税金額は安くなるので、必要経費は多いほどお得です。

では、フリーランス美容師として経費として認められるもの・認められないものは何なのでしょうか。以下よりみてみましょう。

経費として認められるもの

・消耗品(薬剤、シャンプー、リンス、ハサミやカミソリ、タオルなど)
・通信費(ネットや通話代)
・宣伝費、広告費(紙媒体の広告、サイト運営代、チラシ)
・交通費
・ユニフォーム代
・セミナー費用(施術の勉強会、セミナーに参加した費用)
・家賃や光熱費

経費として認められない可能性があるもの

・店舗が自宅も兼ねていた場合(店舗にかかる光熱費などは全額経費として計上されない可能性が高い)
・ユニフォームが私服でも着れるようなデザインの場合
・備品が30万円以上の高額だった場合(一括ではなく3年かけての計上)

まとめ・フリーランス美容師に向いているのはこんな人

フリーランス美容師に向いている人は、こんな人です。

  • リスクを背負ってでも高収入を目指す人
  • 自分でやりたいアイデアがたくさんある人
  • お客さんと密なコミュニケーションを図りたい人
  • 自分のルールで働きたい人

フリーランスは多くの可能性を秘めた自由な業務形態です。自由に働きたい人は目指してみてはいかがでしょうか。

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