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美容師から異業種への転職先におすすめの職種【みんなの転職理由】

疑問を持っている女性

せっかく美容専門学校に通い、美容師資格を取得。
美容室に勤務し始めたけれど、
「何か違うな…」
「何年経っても想像していた仕事をさせてくれない…」
「勤務時間が長いのに給料が安い…」
といった、職業に対する閉塞感や違和感を感じたことがある美容師は非常に多いです。

この記事では、美容師を「辞めたい」と感じる多くの理由と、美容師の経験を活かせる転職先におすすめの職種をご紹介。

「みんなは美容師を辞めたいと思ったことはないの?」と疑問に思っている人も是非読み進めてみてください。

「美容師から異業種に転職したい」という人はどのくらいいるの?

全国に50万人以上いる美容師ですが、美容師の離職率は就職して1年で50%、3年で80%、10年で90%以上と言われています。

美容師の離職率は他の業種と比較しても非常に高く、異業種に転職したいと考えた人は他業種とくらべても非常に多い傾向があります。

美容師業界の現状を見つめてみるとその離職率の高さの要因が見えてきます。

厚生労働省が2022年1月27日発表した令和2年度衛生行政報告例によると、2021年3月末時点の美容師数は54万9935人、美容室の数は25万4422軒と過去最高を更新しています。

また、日本フランチャイズチェーン協会のまとめによると、2020年末時点の全国のコンビニエンスストアの店舗数は5万5924軒となっているため美容室の数はコンビニエンスストアの約4,5倍以上にも及んでいます。

日常で週に2〜3回行くコンビニよりも、1〜2ヶ月に1回程度しか行かない美容室の方が多いのが美容室業界の現状となっています。

※令和2年度衛生行政報告例

50万人以上いる美容師業界ですが10年で90%以上の離職希望者がいるということは、毎年数千人から数万人程度の転職希望者がいるということが伺えます。

「美容師から異業種に転職したい」と思う理由はなに?

美容師から異業種に転職したい主な理由には、以下6つの要因を挙げる人が多いと言われています。

【1】給料が安い

「令和元年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると美容師の平均年収は348万円。
日本の給与所得者の平均給与は年441万円であるため、美容師の給与は決して恵まれているとは言えません。

給与明細

【参考】令和元年賃金構造基本統計調査

【2】日常的な長時間労働 

美容師は日々の営業に加え、営業時間外にスキルアップのためのカット練習などを行なっています。
特に、一人前の美容師(スタイリスト)になる前のアシスタントが自主的におこなう練習残業の場合には残業代が発生しない、職場にいる時間が長い割には収入が低いと感じる傾向があります。

「練習できる場所を与えられている」と考えれば恵まれた環境であるとも考えられますが、強制的に練習を強いられるにも関わらず残業代などが支払われない場合は、長時間労働・安月給という悪い要素が目立ちます。

【3】休日が少ない

美容師は一般的なサラリーマンと比べて休日が少ないです。
一般的なサラリーマンの場合は年間の休日が110日〜120日程度ですが、美容師の場合は100日程度と言われています。

それに加えスタッフの人手が足りていない美容室の場合は、有給休暇が取りにくい環境になりがち。
お盆と正月休みも2日から3日程度と短めのお店も多いため、年間休日数が少ない傾向があります。

【4】人間関係のストレス 

美容師の職場環境は先輩から技術を学ぶことが多いため、一般的な職場よりも体育会系の要素が強く、上下関係に悩む人が多い傾向があります。

特にアシスタント時代は給与が低いうえ、先輩のスタイリストから厳しい指導を受けることも多く、余計にストレスが溜まる環境です。

職場の人間関係のストレスに加え、接客においてのストレスもあります。
コミュニケーション能力が長けている人はストレスを感じにくい傾向もありますが、そうでない人の場合は心身ともに大きな負担を感じることもあります。

【5】キャリアアップに時間がかかる

安定して稼げるスタイリストになるためには、アシスタントとしてスタイリストの仕事をサポートしながら、一人前レベルまで技術力や接客スキルを伸ばす必要があります。

また、アシスタント時代を含め一人前のスタイリストになるためには最低3年〜5年程度掛かると言われており、中には5年経っても一人前になれない人もいるのが現実です。

アシスタント歴の期間でステップアップの段階を決められることも多いため、実力があってもすぐにスタイリストとして活躍できないことも矛盾を感じる点でもあります。

アシスタント時代の安月給・長時間労働なども含め、スタイリストにステップアップする前に異業種への転職を希望する人も多いです。

【6】身体への負担が大きい

美容師は1日のほとんどが立ち仕事です。
足や腰への負担が蓄積されるだけではなく、カットの際には手首や指へ酷使するためドケルバン病といった職業病に陥りやすくなります。

それに加え、毎日シャンプーやカラリーングなどで肌荒れする人もいます。
一般的なサラリーマンやサービス業と比べ身体への負担が大きいことも転職したいと考える要因となっています。

多くの美容師が転職先に選ぶ業種はなに?

元々美容師として働いていた人は、どのような業種に転職する人が多いのでしょうか。

元々美容師に就いていた方が転職先に選ぶ業種をご紹介します。

アパレル業

美容師の転職先で多いのが高級ブランドを含むアパレル業界の接客業です。

アパレル業界の接客業では美容師と比べて残業時間が少なく、プライベートの時間を充実させれることが、美容師時代よりもプライベートの時間を取りやすいため転職先の業種に選ぶ人が多くいます。

ヘアスタイルを作る美容師も、アパレルの仕事もファションに共通しているため、親和性が高いことも要因です。

また美容師はファンションにこだわる人が多く、「好きなブランドを着て働ける」というモチベーションの向上にも繋がる点が転職先として選ばれる理由だと考えられます。

飲食業

飲食業界は転職のしやすさや、イキイキと働いていて人間関係が良さそうというイメージから美容師からの転職先として選ばれることが多いです。

専門の資格が必要ないことも転職しやすい要因でもあります。
美容師も飲食業も接客業なので、共通点があることも抵抗なく働ける要因かもしれません。

また、飲食業界を通じて一から料理を学び、後に独立してお店を出すといった元美容師の方もたくさんいらっしゃいます。

ホテルなどの宿泊業

ホテルなどの宿泊業は、ハイレベルの接客スキルが身につくだけではなく、宿泊、料飲、宴会、婚礼、管理といったさまざまなスキルを身につけることができるため、美容師からの転職先として人気の業種です。

美容師の経験を活かせる業種は?

どうせ転職するなら、美容師の職業と親和性が高い職種や美容師としての経験を生かせられる職種に就きたいという人も多くいます。

また、ライフプランを大きく変えたいと願う人が美容師の職業では得られなかったものを得られる職種を選ぶこともあります。

美容業界の営業職

美容業界の営業職では過去の美容師で培った美容知識やコミュニケーション能力、接客力などの強みが活かせる職種です。

専門性のある知識を持っていれば、お客様との信頼を築きやすくなるだけではなく、美容師の経験があるならこの人が紹介してくれるサービスや商品を使ってみようと営業がしやすくなる傾向もあります。

  • 美容師が使うシザーやカラーリング剤などを扱うメーカー
  • 美容室の売買仲介会社
  • コスメ系メーカー・卸業者・小売店

など、美容師と親和性が高い美容業界の会社は非常に多くあります。

不動産営業職

美容師から不動産営業に転職している人も多数います。

というのも不動産業界の営業職はインセンティブなどがもらえ、給与がいいというだけではなく、美容師として培った接客力やコミュニケーション力も十分に発揮できる職種です。

過去の経験を生かしながらバリバリ働いてたくさん稼ぎたいという方はチャレンジしてみるといい職種と言えるでしょう。

ネイリスト・サロンセラピスト

ネイリストの給与は美容師とほぼ同じ水準ですが、労働環境は美容師と比べてそれほど厳しくない傾向にあります。

基本的に座りながらお客さんと接するため身体への負担を減らすことができます。

また、美容師免許を保有していると給与面など優遇してくれる職場も多いです。

それに加えいずれ独立開業をして自分自身のお店を持つこともできるため、ネイリストはおすすめの職種となっています。

また、美容サロンのセラピストも親和性が高い職種です。美容師よりも収入が高い傾向があるので仕事と収入のバランスをもう一段階ステップアップしたい方に検討されています。

まとめ

美容師になって自分のサロンを持ちたい!と意気揚々と美容師業界に入ったけれど、もう限界…と、感じる人は少なくありません。

一度、美容師をやめて別の業種に転職することは「美容師の夢は挫折したんだね」と思われることもあるかもしれませんが、気にすることはありません。

別の業種を経験して再度美容師の道に戻ってくることも、オリジナリティのある美容師になる方法の一つです。

美容師免許を取得するのは学校に通わなければならないので、後から取得する方が大変です。
美容師免許を持っていることに自信を持ちましょう。

美容師免許を持っていることは人生においてプラス。一度離職しても資格や経験は残ります。

体調や私的な事情で離職することもドロップアウトではないので、もっと広い視野で人生の道筋を見つめればOK。

他のことにチャレンジしたい!と思ったらその道に進めばいいんです。

また様々な経験を経て、また美容師の仕事に就きたくなったらまた戻れます。

自分がどうしたいか?という目標を見つめ直してリスタートを切りましょう!

【参考】

※1 令和2年度衛生行政報告例