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美容師・スタイリストの給料は安い?年収相場は?

給与明細

華やかな職業と思われている美容師ですが、実際には体力を使い、それに見合う給料がもらえないというイメージを持っている人もいるでしょう。

今回は、低いといわれている美容師の実際の給料・年収事情について取り上げていきます。

美容師の収入が他の職種よりも低いと言われている理由は?

美容師の給料が低いというイメージが浸透しているのは、なにが原因なのでしょうか。
その原因は、いくつかの理由が考えられます。

ランニングコストがかかる

お金

美容室を維持するためには、月々のランニングコストがかかります。
賃貸料や光熱費、シャンプーなどいくつもの備品も常に揃えなくてはいけません。
それに加えて集客のための宣伝広告費もかかります。

施術代金を値上げすれば、お客さんは他店に流れてしまうのでは…というジレンマを抱え、値上げもできない。

結果的に、コスト削減のために人件費を削ることとなり、美容師一人ひとりの給料が低くなってしまう傾向があります。

予約が取りにくいとされる超人気店の場合は状況は異なりますが、日本の美容室業界ではこのようなサイクルの影響で収入が低くなりがちです。

スタイリストになるまで時間がかかる

美容師はさまざまなスキル・知識を覚えなくてはならず、一人前のスタイリストになるまでに時間がかかるのが大きな特徴です。

美容師の仕事に就くと、最初は見習いである「アシスタント」から始まります。
アシスタントは様々な業の習得・雑用全般の担当で、なおかつ低賃金。
この時点で辞めてしまうケースが少なくありません。
この「アシスタント時代の低賃金」の存在が美容師業界の収入相場を全体的に低くしているといっていいでしょう。

1,000円カット店の影響

低価格で散髪ができる「1,000円カット」の市場拡大の成功も、美容師の給料が安い理由の一つです。

1,000円カットのようなお店が増えると、他の美容室・理容室も料金の見直しを迫られます。

コスト削減 → 給料が下がる、という悪循環になってしまいます。

アシスタント時代の収入はどれくらい?

美容師アシスタントの給料・年収の相場をみてみましょう。

月給相場13万〜20万円
年収相場160万〜230万円
【データ出典・参考】※1

アシスタントの期間は1〜3年ほどで、この期間中に薄給と仕事の過酷さに耐えられず、辞めてしまう人は少なくありません。

スタイリストに昇格したら収入はいくらくらいになる?

美容師のスキルをひと通りマスターして、お客様1人を安心して任せられるランクであるスタイリストは、どれくらいの収入になるのでしょうか。
以下よりみてみましょう。

給料相場20万〜30万円
年収相場300万〜500万円
【データ出典・参考】※1

スタイリストの収入は、低い場合だと給料20万円台・年収300万円台です。
この収入は、アシスタントの次のランクであるJr.スタイリスト​​とそれほど変わりません。

ただし、高収入の場合は年収800万円というケースもあります。
スタイリストの収入にこれほどの差がある原因は、お客様の指名制による歩合制度があるからです。
歩合については後に詳しく解説します。

パート勤務の場合の収入額は?

美容室では、フルタイムではなくパート勤務として働くことが可能なお店もあります。
パートで働く人は、以下のような経歴の人が多いです。

  • かつて美容師として働いていたが結婚や出産で仕事を継続できなくなった人
  • 一度美容師アシスタントとして働いていたが、事情により退職した人

上記のような人はパートという雇用形態になることが多く、この場合、時給制になります。
美容室パート勤務の時給相場は、1,000〜1,600円ほどです。

店長になった場合の収入額は?

美容室の店長クラスになった場合の給料・年収の相場は、以下のようになります。

給料相場30万〜50万円
年収相場350万〜600万円
【データ出典・参考】※1

店長クラスになると収入額は上がりますが、その分やるべき仕事量も増えます。

集客のための戦略・お客様だけでなく従業員とも円滑に意思疎通ができるコミュニケーションスキルなども要求されるのが店長の特徴です。

オーナーになった場合の収入額は?

美容室の店内

美容室の経営者であり、実質上の最高ランクである美容室オーナーは、経営の売上から人件費(従業員に支払う給料、その他)などの必要経費を引いた額(営業利益)が、今後の経営費用・自身の収入になります。

ただし、高い収益を誇るお店でもランニングコストがかかる場合は営業利益は下がるので、必ずしも儲かっている状態とはいえません。

また、小規模なお店であっても、予約が殺到する人気スタイリストなどを抱えている場合、それだけ売り上げが上がるのでオーナーの年収もアップします。

設備投資や新店舗出店などの先行投資額にもよって変わりますが、美容室オーナーの年収は、600万〜1,000万円が相場と言われています。

美容師
美容室の店内

美容師はボーナスを貰える?相場はいくらくらい?

美容師はパート以外だと正社員という待遇なので、どのランクの人にもボーナスが支給される仕組みです。

美容師に支給されるボーナスの平均額は、5万〜12万円ほどといわれています。

この差額の理由は、ランク別によるものです。
新人で見習い扱いのアシスタントは5万円ほど、キャリアを積んだランク上位の人は10万円以上のボーナスが支給されます。
他の職種に比べると安い傾向です。

「歩合給」の給料システムはどんな仕組み?

美容師として収入アップする方法は、歩合給を稼ぐことです。
美容室における歩合給は2つの意味合いがあります。

  1. お客様の指名による「指名料」
  2. お客様1人にかかる料金(高いコース・オプション利用、商品購入)

指名が多くなれば指名料によって給料アップ、指名がなくても担当したお客様が高いコースなど支払い金額が高ければ、担当した美容師は給料アップ、という仕組みが歩合給制度です。

歩合給で稼ぎたい場合は、指名が殺到する人気スタイリストになるか、営業トークを磨く必要があります。

美容師の生涯年収は?

美容師が一生のうちに稼げる生涯年収は、以下の数字が平均額といわれています。

男性美容師約1億5,000万円
女性美容師約1億2,700万円
【データ出典・参考】※1

高卒者の生涯年収が2.4億といわれているので、この平均額は低いと言えるかもしれません。

この平均額を超えたい場合、多くのお客様を相手にする人気スタイリストになる・美容師のスキルや知識・経験を活かして他の業種に転職する・オーナーや店長に昇格するなどの方法を実践するしかありません。

スタイリストでも人によって給与に格差が出てしまう明確な理由は?

給与アップを実現する方法の一つがキャリア・スキル磨きを積んで、スタイリストに昇格することです。

しかし、同じスタイリストでも、それほど給与が高くない人もいれば高収入を実現している人もいます。

なぜ同じスタイリストでも、これほどの収入格差が生じてしまうのでしょうか。
その理由を以下にまとめてみました。

人気スタイリストと通常のスタイリストの違い

高収入なスタイリストの傾向

技術・サービスの質が高く、人気の美容師になれば指名が増えて歩合給が増える。
また向上心があればオーナーや店長にもなれる。

低収入になりがちなスタイリストの傾向

腕のある美容師でも、時代のニーズをつかめていない、集客がない(営業力がない、立地が悪いなど)お店にいては多くのお客様の相手ができない。
流行らない美容室に勤務していることも要因の場合もあり。

上記以外の要因もありますが、スタイリストになっても高収入であるか低収入になるかの違いはこれらのようなものがあります。

美容師が年収を増やすためにできることは?

全般的に低い年収といわれている美容師ですが、決して高収入が狙えない業種ではありません。では、美容師として年収アップを目指すには何をすればいいのか、以下にまとめてみました。

技術の向上

美容師としてのスキルだけでなく接客スキルを磨くことによって、多くのお客様を呼び、歩合給を稼げる。

独立して開業・フリーランスに転向

独立すれば利益はダイレクトに自分のものになります。
しかし経費なども自分持ちというリスクもあります。

また、店舗を持って開業しない場合でもフリーランスとして業務委託で働いたり、シェアサロンなどを利用して個人事業主として営業すれば収入アップも可能です。
ただし集客力や、人気・高度なスキルなどがないとお客さんが獲得できないという難しさもあります。

髪を切って貰う女性

人気店へ転職

美容室の店内

より多くのお客様を相手にできる、人気店の集客の秘訣や運営のコツを学べる。

美容師として年収アップを図るには、上記のような努力・発想の転換をすることが大事です。

まとめ

美容師

美容師を目指す人は、憧れの業界で働ける喜びの気持ちが優先してしまい、収入はそれほど重要でないと考えている人も少なくありません。

しかし、「憧れの業界=稼げない」というイメージが定着すると、慢性的な人材不足が続いて、業界全体が不人気となってしまうでしょう。

美容師業界全体の収入相場に変化をもたらすのは至難の業。

しかし「このくらいのお金を払ってもこの美容室でキレイになりたい!」と思わせられるようなサービスを提供していくことが、自分の年収をアップすることや、業界全体の収入を底上げしていくことにつながっていくはずです。

  • より良いサービスを提供するにはどうしたらよいか?
  • より稼ぐためにはどうすればいいのか?

誇りと向上心を持って、より良い美容師業界になることを考えることが大事です。

また、美容師という仕事は、年収だけで価値を図れるものではありません。
やりがいや使命感を持って従事している人が多くいます。

美容師や理容師は、なくてはならない職種です。

だからこそ、正当な賃金を貰えるように希望を持って仕事に従事していくことが大切。

多くの人が憧れる美容師業界になるように日々邁進していきましょう!


【参考 ※1】e-Stat統計で見る日本